ものづくりにおいて、新たなトレンドになっているのが「メイカームーブメント」です。発展するデジタル技術において、ものづくりの技術が大きな変化を遂げ、新たな産業革命を起こそうとしている潮流をメイカームーブメントと呼んでいます。
今回は、メイカームーブメントが成立した背景と現在のトレンドを見ながら、社会のあり方や企業のあり方をどう変えていくのか解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【目次】
1.メイカームーブメントの中心にはものづくり民主化とも呼べる動きがある
2.インターネットの技術をものづくりに活かして製造業をイノベーションするメイカームーブメント
3.メイカームーブメントが成立した背景と現在のトレンド
4.今回のまとめ

メイカームーブメントの中心にはものづくり民主化とも呼べる動きがある

メイカームーブメントを考える上で、誰でも同じ物を作れるといった「民主化」と呼べる動きがあります。技術革新により最新の工作機械は過去と比べものにならないレベルで発展を遂げたことにより、ものづくりの概念が変わってきました。
特に、最新のレーザーカッター・3Dプリンター・CNC切削機は、全てコンピューターで管理できるシステムで、人による影響を受けずにものづくりが可能です。これまでは、熟練の職人達が磨き上げた技術で、品質の高いものを作っていましたが、コンピューターの力で誰でも同じ品質のものを作れる時代になっています。

インターネットの技術をものづくりに活かして製造業をイノベーションするメイカームーブメント

21世紀に入り、インターネットは急速に発展したことで全ての行動がインターネットを通して行われる時代です。テキスト上だけの処理に留まらず、行動履歴などの膨大なデータまで解析できるレベルまでに発展し、データにありふれた時代に突入しています。
この流れにより、製品及び生産する製造業全体をつなげるIoTが始まり、ものづくりにイノベーションをもたらしていると言えるでしょう。
ものづくりにインターネット技術を生かしたことで、遠隔からでもデータ拾い上げ、外部との共有も簡単にできます。結果的に、ものづくりの生産性を高め、より早く質が高いものを作ることに結びついたと言えるでしょう。

メイカームーブメントが成立した背景と現在のトレンド

メイカームーブメントが成立した背景として、これまでやっていた手動的な製造方法ではコストや時間がかかる一方で、発展するデジタル技術を取り入れることにより、安いコストで高精度の製品が作れるといった圧倒的なメリットが存在したことが大きいでしょう。
代表的なのは3Dプリンターで、特別な技術が必要なく、従来であれば必要な備品も必要なく製造できてしまうので、メイカームーブメントが成立するのは当然な流れです。
現在のメイカームーブメントのトレンドとして、誰でも個性あるメーカとしてのパーソナライズ化、ユーザーの視点・発想・論理からものづくりのネットワーク化、世界の仲間と共創できるオープンイノベーション化などが注目されています。

今回のまとめ

ものづくりにおいて、発展するデジタル技術を取り入れて産業革命を起こそうとしているのがメイカームーブメント。ものづくり分野は今、大きな変化を迎えています。新しいテクノロジーは日々開発されているため、社会や企業は常にキャッチアップを行い時代の流れに適応していく必要があるのです。
メイカームーブメントを理解してどう自社に取り入れていくのかという点は、各企業が今後も生き残っていく上で必要不可欠となるでしょう。