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個人の商品開発でも可能性が十分にある偶然から生まれた発明品

コラム 2022.06.23

今では当たり前にある商品でも、実は偶然の発明が生んだという例が世の中にはたくさんあります。例をあげると、今や食卓には欠かせない調味料のウスターソースは19世紀のイギリスで生まれたもので、長期間放置していた塩漬けの野菜を開封したらソースができていたのです。このような偶然は個人にも十分に起こり得ます。ここでは偶然から生まれた商品について見ていきましょう。

【目次】
1. 今では当たり前に使っている電子レンジや付箋は偶然から生まれた発明品
2. 偶然から生まれた発明品でよく聞く成功エピソードとは
3. 個人でもやり続ければ偶然から発明品が生まれる可能性はある
4. 今回のまとめ

今では当たり前に使っている電子レンジや付箋は偶然から生まれた発明品

私たちの日常生活で頻繁に利用するもののひとつである「電子レンジ」は、別の研究を応用した商品です。アメリカのエンジニアのパーシー・レバロン・スペンサー氏は、マイクロ波のシグナルを出すマグネトロンを製造しているときに、ポケットに入っていたチョコレートが溶けていることに気付きました。よくよく調べてみると、マイクロ波の影響であることが判明し、後に電子レンジの誕生へと繋がるのです。
また、勉強や仕事など事務的なことに欠かせない事務用品の「付箋紙」は、教会信者のイライラからできあがった商品です。1974年、アーサー・フライ氏は教会で讃美歌の各ページに挟んでいる紙が何度も落ちることに苛立っていました。そこで思い出したのが、アメリカの大手化学メーカー3Mで働く同僚が発明した「すぐに剥がれる接着剤」です。4年前の1970年、同僚のスペンサー・シルバー氏が強力な接着剤を作ろうとしていたにもかかわらず、完成したのは何に付けても剥がれてしまう接着剤でした。アーサー・フライ氏がこの接着剤を使って付箋を作ってみると思っていた以上の出来となり、このアイデアを3Mに売り込みます。後に「ポスト・イット」として世界的な大ヒットとなりました。

偶然から生まれた発明品でよく聞く成功エピソードとは

たった1度の偶然が思わぬ製品を生み出すケースも珍しくありません。例えばアイスクリームのコーンもその一つです。以前のアイスクリームは、トレイなどのお皿に乗せて食べるのが一般的でした。しかし1904年にアメリカのセントルイスで行われたワールドフェアでアイスクリーム屋が大繁盛し、アイスクリームを乗せる皿が足りなくなったのです。そこで思いついたのが、皿の代用品を作ること。ちょうど隣でイラン人がウエハースを薄くしたエジプトのお菓子「ザラビア」を販売していたので、アイスクリーム屋はイラン人にコーン型のワッフル生地をロールして作るよう依頼し、そこへアイスクリームを乗せて販売します。するとあっという間にその食べ方が広がり、アイスクリームをコーンで提供する方式が定着したのです。
医療においても、多くの偶然によって「ペニシリン」の発見に至りました。ブドウ球菌を研究していた生物学者のフレミングは、1928年にブドウ球菌を培養しているのを忘れて休暇に出てしまいます。帰ってみるとアオカビが発生していたのですが、アオカビが発生した分だけブドウ球菌が繁殖していないことに気付きました。この偶然からペニシリンの発見へと繋がったのです。

個人でもやり続ければ偶然から発明品が生まれる可能性はある

このように現在では当たり前にあるものでも、個人の偶然な発明によって生まれてきた製品は山ほどあります。例えば今や世界最大のSNS「Facebook」は、ハーバード大学時代に創始者のマーク・ザッカーバーグ氏が個人で立ち上げたオンライン学生名簿です。その後、全米の若者を中心にして広がり、今では全世界で5億人以上が利用するサービスに発展しました。また、ポテトチップスや人工甘味料の「サッカリン」や、高級酒で祝い事には欠かせない「シャンパン」も個人の偶然の発見からできたものです。
このように、莫大な研究費や施設を持たない個人であっても、挑戦し続ければ偶然から発明品が生まれる可能性は大いにあるのです。さらにその可能性を高めたい場合は、アイデアを形にするための環境、つまり商品開発環境を提供してくれる企業に相談するのもひとつの方法です。こういった企業では試作品や1点物の製作にも対応できるので、発明したらすぐに世に出すこともできます。

今回のまとめ

過去から現在に至るまで、ちょっとした偶然や何かのきっかけによって思わぬ商品が生まれ、それが今では世界中に広がっている例は多数あります。中には当初の目的から生じた副産物であった例も少なくありません。ご自身のアイデアを挑戦し続けて行くことで、意外な発明品や活用法が思いつくこともあるので、試作品を作成して様々な人の意見を求めることも大切です。