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個人が開発した商品の値段を競合・市場と比較して決める場合のメリットとデメリット

コラム 2022.09.29

個人で開発した商品を気軽に販売できるさまざまなネットショップや通販サイトが登場しました。そのため、個人が商品開発に挑戦するハードルが低くなり、ビジネスとしてショップ運営をする人も増えています。しかし、経験や知識がまだ身についていない個人が商品の値段を適切に決めることは非常に難しいことです。価格を決める際には、原価率や利益率、お店のコンセプトや競合・市場の状況など、多くの要素を考慮しなければなりません。
今回は、個人が開発した商品の値段を競合・市場と比較して決める場合のメリットとデメリットについて解説します。

【目次】
1.個人の商品開発で競合・市場と比較して販売価格を決定する時のステップ
2.個人の商品開発で販売価格を決める際に競合・市場をベンチマークにするメリット
3.競合・市場をベースに販売価格を決めるデメリット
4.今回のまとめ

個人の商品開発で競合・市場と比較して販売価格を決定する時のステップ

個人で開発した商品の販売価格を決めるのに、競合・市場との比較を考慮する場合、4つのステップがあります。まずは、既に市場に存在する、似たような性質を持つ商品を特定すること。次に、特定した商品について、そのポジショニングを分類します。このとき、価格だけでなくブランディングや差別化ポイントについても確認することが重要です。次に、市場に存在する競合商品の平均価格を算出。平均価格は商品の販売価格を決めるための、1つの目安になるでしょう。最後に行ってきた調査結果を基に、商品の販売価格を決めます。商品のポジショニングを意識しながら、価格を選択してください。価格戦略として平均よりも高い価格に設定するなら、多機能・高性能であることをアピールできます。平均よりも低い価格に設定する場合は、商品購入のハードルが低くなり、市場シェアを獲得しやすくなるでしょう。

個人の商品開発で販売価格を決める際に競合・市場をベンチマークにするメリット

競合・市場をベンチマークにして商品の販売価格を決めることで、価格の設定が簡単になるというメリットがあります。既に市場にある競合商品を参考にするため、常識的な範囲で価格の設定を行うことが可能です。原価率や利益率を基準にする場合、自己中心的な価格設定になりやすく、市場価格から大きく乖離してしまうこともあるかもしれません。
また、価格の調整も行いやすいというメリットもあります。競合商品の価格変動に合わせて、同じ割合で値上げ、もしくは値下げが可能です。

競合・市場をベースに販売価格を決めるデメリット

競合・市場をベースに販売価格を決める場合、独自のプライシングができません。販売価格は利益や販売数はもちろん、ショップのブランディングにも影響します。そのため、競合・市場ばかりを参考にしてしまうと、ブランディングが思うように進められないこともあるでしょう。
また、販売戦略によっては厳しい状況に追い込まれることがあります。例えば、競合商品よりも低い価格で商品を売るという戦略の場合、常に競合商品よりも価格を低く抑えなければなりません。その結果価格競争が起き、業界全体の利益が減るという事態になってしまう可能性もあります。

今回のまとめ

個人で開発した商品の販売価格を決める際、競合・市場との比較が参考になります。類似商品の特定やそのポジショニング、平均価格などを参考に、商品の価格を適切な範囲で決めることが可能です。市場の状況に合わせることで、価格の調整も容易。しかし、独自のプライシングができず、ブランディングが思うようにできないのが欠点です。
また、戦略によってはショップ運営が厳しくなるとともに、業界全体の利益も下がることもあるでしょう。競合・市場との比較を参考にして販売価格を決定するときは、このようなメリット・デメリットを総合的に考慮することが大切です。