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特許を譲渡するかライセンス契約で収益を得たい!個人が発明を企業に売り込む際の注意点

コラム 2022.06.20

発明家がどこから収入を得ているのか不思議に思ったことはないでしょうか。特許を出願することは知っていても、そこから、何をするのかが分からないかもしれません。発明家が自分で商品の製作販売を行えば、発明にかけられる時間が減ってしまうので注意が必要です。今回は、発明家の収入源である特許権譲渡とライセンス契約、発明を企業に売り込む際の注意点について解説します。

【目次】
1. 特許権を譲渡する際の留意点
2. ライセンスを企業に与える際の注意点
3. 個人と企業との間を取り持つインターネットサイトの利用では成果が見込めない背景
4. 今回のまとめ

特許権を譲渡する際の留意点

個人で発明した発明品を企業に売り込む際には、企業を訪れる前に、まずは特許を出願しておくことが重要です。特許を出願していない発明品を売り込む際には、秘密保持契約を企業側と結びます。ただし、発明品の詳細を伝える時期には注意が必要です。特許内容は特許の審査から1年半で公表されますので、それまでの間は詳細開示を控えるという方法もあります。
特許出願後3年以内に出願審査請求を行わないと、出願自体がと無効になってしまいますので注意しなければなりません。ただし、出願審査請求には費用がかかりますので、発明品に改良を加える予定の場合には優先権が認められる1年間は出願審査請求を控えて改良を続けても良いでしょう。他社で競合製品を開発されている場合は、なるべく早く、出願審査請求をしたほうがアイデアを無駄にしないで済みます。

ライセンスを企業に与える際の注意点

取得した特許をうまく活かせていない場合や、特許を生かした製品を何らかの理由で製作販売することができないという際には、発明品を商品化できる会社とライセンス契約を結ぶ方法があります。ライセンス契約は、特許権を持つ人とその特許を使って製品を作りたい人が、使用料や実施料の取り決めを行う契約です。ライセンス契約を結ぶことで、企業は特許権を侵害することなく発明品を製品化することができます。
企業との交渉が進んでいくと企業から特許権の譲渡を求められることがありますが、特許の譲渡の他にも、発明家が特許権を保持したまま継続的な対価の支払いを受けるライセンス契約を選択することもできます。契約内容については、不利にならないように弁護士や弁理士などとよく相談して検討するのがおすすめです。

個人と企業との間を取り持つインターネットサイトの利用では成果が見込めない背景

個人で発明品の特許を活用しようとする場合には、次の3つの課題があります。

・発明品を商品として生産できる方法があるかどうか
・生産した発明品を宣伝して買い手を見つけることができるかどうか
・製作費と販売価格でもうけを出せるかどうか

いずれにしても、発明品そのもので収入を得るのではなく、発明とは別の個人事業としての販促活動により収入を得ることになります。発明のアイデアそのもので成果を得ようとする場合には、特許を取って、その特許権を基に企業とライセンス契約を結ぶか、特許権を売却するかのいずれかです。
最近では、人と企業との間を取り持つインターネットサイトもありますが、手あたり次第アイデアを売り込んでもなかなか成果を上げることはできません。自分のアイデアを売り込みたいのであれば、信頼できる第三者に販促活動を依頼することも一つの方法かもしれません。

今回のまとめ

特許の審査から3年以内に出願審査請求をしますが、発明品に改良を加える予定の場合には、優先権が認められる1年間は出願審査請求を控えると、無駄な支出が防げます。発明で収入を得るなら、特許権の譲渡か企業とのライセンス契約を結ぶことになりますが、企業への売り込みは第三者に依頼したほうがうまくいく場合が少なくありません。

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