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個人で発明をして特許を取りたい場合に自分で特許出願する時の難易度について

コラム 2022.05.18

個人レベルでの発明で特許を取得し、それが多くの利益を生むという事例も少なくありません。しかしながら、特許取得には多くの手間とお金がかかるため、特に個人での取得には高いハードルがあるというのが現状です。ここでは、個人で特許を取得する場合の流れと費用、および確実に特許を取得するためのコツについて解説します。

【目次】
1.特許を出願してから登録されるまでの流れ
2.認められる特許請求の範囲と取得までにかかる費用
3.個人の発明で特許を取得したいときは弁護士に相談するのがおすすめ
4.今回のまとめ

特許を出願してから登録されるまでの流れ

特許の出願から登録までの基本的な流れは以下の通りです。

1. 出願

最初に特許の取得を希望する意思があることを伝えるために出願を行います。出願は特許庁へ必要書類を提出する形で行う決まりです。

2. 審査

出願をしたら審査を行ってもらう必要があります。審査を依頼するには審査請求を行わなければなりません。また、この審査では「拒絶理由通知」が最低でも一回は発行されます。その内容に応じて中間処理という作業を行うと審査が続行されるのです。

3. 登録

審査に通過するとそのことが通知され、登録料を支払うと特許権が発生します。これで登録は完了したことになりますが、登録から6ヵ月以内は異議が申し立てられることもあるので注意が必要です。また、登録した特許は出願から20年存続させられますが、そのためには毎年登録料を支払わなければなりません。

認められる特許請求の範囲と取得までにかかる費用

特許を取得するためには、その申請内容に既に特許が取得されている技術が含まれていないことが重要となります。この点で特に注意しなければならないのが「特許請求の範囲」についてです。

特許請求の範囲について

特許を取得するための請求では、自身が発明した技術の定義を明確にしなければなりません。この定義とはすなわち特許請求の範囲のことであり、例えば本来必要のない技術を特許請求の範囲に含めてしまうと、既に特許が取得されている技術が申請内容に含まれてしまい、審査に通過できなくなってしまう可能性も高くなるでしょう。
このことから特許請求の範囲については、不可欠な部分を除外しないことと、既に特許が取得されている先行技術を含めないことに注意を払う必要があります。

取得までにかかる費用

特許を取得するまでに必要な諸手続きには、費用が発生します。

審査にかかる費用

特許を取得する上では審査を受け、それに通過しなければなりません。この審査においては15万~20万円程度の審査料が発生します。

手続きを弁護士に依頼する場合の費用

特許取得に伴う各種手続きは弁護士に依頼することも可能です。この場合、一連の手続きでは30万~50万円程度の費用が発生します。

個人の発明で特許を取得したいときは弁護士に相談するのがおすすめ

個人の発明で特許を取得する場合、煩雑な手続きを独力で行うことは大きな負担となります。費用の節約を最優先したい場合にはこの方法で手続きを行うのが良いですが、この方法だと審査に通過できず、特許権を取得できなくなってしまうリスクも高くなるので注意しなければなりません。
弁護士に手続きを依頼すると、手続きそのものの負担を軽減できるだけでなくリスクを低減できるという点でもメリットが得られます。このことから個人での発明で特許を取得する場合、弁護士に相談するのがおすすめです。

今回のまとめ

個人で特許を取得する難易度は非常に高く、独力ですべての手続きを行い、なおかつ審査にも通過するのは容易ではありません。また、特許の出願や審査請求では多くの費用がかかるため、それらを無駄にしてしまわないよう確実な手段を選択することが大切です。
この点で弁護士に手続きを依頼する方法には極めて大きなメリットがあり、確実な特許取得においては不可欠と言えるでしょう。