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個人が3Dプリンターで試作品製作を行う際に準備するもの

コラム 2022.02.21

メディアやSNSでも取り上げられることが増えた3Dプリンター。立体物も手軽に作れるため、3Dプリンターを使用して自分のイメージしたものを製作してみたい人も多いはずです。しかし興味を持つ人が多い一方で、初心者にとっては必要な備品や機材がわからずハードルが高く感じてしまいますよね。
そこで今回は、個人が3Dプリンターで試作品製作を行う際に準備するものについて紹介していきます。

【目次】 
1.パソコン
2.3DCADデータ
3.スライサーソフト
4.フィラメント
5.今回のまとめ

パソコン

3Dデータを製作したりソフトウェアを動かしたりするうえでパソコンは必須です。パソコンのスペックは作りたい試作品の内容によります。軽いデータであれば問題なくソフトウェアが動かせるのでMac・Windowsどちらのパソコンでも大丈夫ですが、重いデータになると処理落ちが起きる可能性があります。
また、用意したデータを3Dプリンターに送る際の方法も確認しましょう。3Dプリンターの機種によってはLANケーブル・USBケーブルなど方法が決められているケースもあるので、ポートが搭載されているタイプを選ぶことが大切です。

3DCADデータ

3Dプリンターで試作品を製作するには設計図に当たる「3Dデータ」が必要です。3Dデータを用意する方法は主に3つあります。
1つ目が3DCADソフトを活用して自身の手で3Dデータを作成する方法です。1から設計できる分、自由度が高いですが、初心者にとってはソフトの操作に慣れるまで時間がかかる大変さがあります。
2つ目が2DCADのデータを3Dへと変更する方法です。2Dデータを用いるため、試作品の製作経験がある人にはおすすめですが、3Dデータに変えた時点で形が崩れるケースもあって万能ではありません。
3つ目が3Dスキャナを活用し、素材から直接データを作成する方法です。手作りで試作品を製作することが多い人や元の素材があって複製したい人におすすめです。ただしスキャンで測れるのはおおよその数値なので、正確な3Dデータを作成するには微修正が必要な場合が多い特徴もあります。

スライサーソフト

スライサーソフトとは、STLデータを3Dプリンターが読み込める形式に変換させるソフトウェアのことです。STLデータは3Dデータを3Dプリンターで使用できる状態に変換したものを指します。最近のソフトウェアの多くはSTL形式のデータ出力をサポートする機能がついていますが、古いソフトを使用する場合は変換用ソフトウェアが必要です。
STLデータが完成した後にスライサーソフトで3Dプリンター専用の「Gコード」と呼ばれる制御コードを生成していきます。Gコードは3Dプリンターがどのように動くかを決定するもので、印刷スピードや使用する素材、ノズルの温度などに影響します。

フィラメント

フィラメントとは通常のプリンターのインクに当たるものです。熱可塑性樹脂でできており、加熱で柔らかくなって冷えると固まる性質があることで自在な形に加工できます。フィラメントは種類が豊富で、耐久性や質感、耐熱性など材料によってメリット・デメリットが存在するため、用途に合わせてフィラメントも選ぶといいです。
また、フィラメントは湿気に弱いため保管する容器や袋が必要です。初心者であれば密閉できる容器にシリカゲルを入れておけば問題ありません。

今回のまとめ

今回は、個人が3Dプリンターで試作品製作を行う際に準備するものについて紹介してきました。3Dプリンター・パソコン・データ・フィラメントがあれば思うような試作品を製作できます。また記事で紹介したソフトウェアや備品は最低限のものなので、実際に使用してみてこだわりたい箇所が出てきたらオプションを追加して精度を高めていくといいでしょう。