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試作品製作は重さやサイズ感を確認するために重要です

コラム 2022.02.15

製品の量産を行う前には、ほとんどの場合で試作品製作を行います。製品を市場へ送り出すまでにはさまざまな段階があり、各段階で基準をクリアできる製品を生産しなくてはなりません。そのためには、試作品製作において、どのような点を確認すると良いのでしょうか。原点に立ち戻って考えてみましょう。

【目次】 
1.試作から量産へ移行する場合の問題点とは
2.試作品製作時に気をつけるべき点とは
3.試作品製作がなくなる可能性は低い
4.試作から量産へ移行するためのチェックポイントとは
5.今回のまとめ

試作から量産へ移行する場合の問題点とは

試作品とはその名の通り「試しに作る作品」であり、材料や工程などの点で量産する製品と同じように作ることが難しいことも多々あります。そんな試作品を作る際の加工工程は大きく分けて2つあります。
1つ目は、開発の初期および中期の段階で製品機能を確認するための試作です。
2つ目は、量産工程で製品の生産性や機能が損なわれないかを確認するための試作です。
重さやサイズを確認するのは前者の工程であり、そこでは机上で想定していた機能が備わっているかどうかを確認することが重要です。量産へ移行した時に、製品サイズが変わってしまったり、量産がうまく進まなかったりすることがあれば、試作へ立ち戻って改善しなくてはなりません。

試作品製作時に気をつけるべき点とは

試作品製作は、量産に移る前に課題を明確にし、スムーズな製品開発を進めるために必要不可欠な工程です。試作品製作により、どのような点を確認したいのかを明確にしておかないと、製品の改善が進まない場合もあります。量産加工を想定した上で確認事項を決めておきましょう。
また、試作品は量産品に比べ、コストが大幅に高くなります。試作品を何度も作り直していると、そのぶんコストも増えてしまいますので、作り直しは必要最低限で押さえるようにしましょう。

試作品製作がなくなる可能性は低い

近年では、パソコンを使ったシミュレーション技術が大きく発展しており、試作品製作を行わなくとも確認できる事項が増えてきました。ただし、シミュレーションを行っても、実物を完璧に再現することは困難です。
試作をして、設計とのズレや不具合に気づくことも多いために、試作品製作の工程は製造業にとって生命線とも言えます。このため、いくら技術が発展しても試作品製作が行われなくなることはないでしょう。

試作から量産へ移行するためのチェックポイントとは

試作から量産へと移行する時には、まず量産の必要性があるのかを再確認しましょう。原価を考慮しながら、大量販売をしたいのか、高い付加価値をつけて少数生産をするかを見極める必要があります。
また、製品にあった加工方法を選んでいるかどうかも見直しましょう。加工方法は一つではないため、あらゆる工法を選択肢に加えることが大切です。量産をするのであれば、試作品とは別に量産するためのモデルも早い段階で作っておきましょう。

今回のまとめ

今回紹介したように、試作品には初期段階で作るものや量産の目的で作るものなどがあります。技術の発達により試作品を作らずとも設計の欠陥を発見できるのでは、と考えてしまいますが、机上で設計した数値が実際の製品に正しく反映できるかどうかは、製品を作ってみないと明確にできないのが実情です。より良い製品開発のために、ぜひ試作品製作に取り組んでみてください。