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試作品製作時には商品製造段階の組み立てを考慮した設計が重要です

コラム 2022.02.10

製造業にとって、試作品製作は強度や性能などのチェックを伴うもので、量産後の企業の売上を左右する大きな業務のひとつと言えます。設計した製品を実際に組み立て、修正事項などをチェックする工程が行われますが、このときに考慮しなくてはいけないのが、商品の製造段階に入ったフェーズでの組み立てです。一体どのような意味なのか、今回の記事で解説します。

【目次】
1.試作品製作は量産の前段階
2.試作品を用いて設計検証を行うのが大切
3.試作品を組み立てることで「組み立てやすさ」を確かめる
4.今回のまとめ

試作品製作は量産の前段階

試作品を製作する目的は、「設計通りに量産を行っても問題がないかどうか」、「スムーズな量産が可能かどうか」など、量産に対する課題を克服できるか確認することです。試作品制作を繰り返し行なっていると、さまざまな課題が見えてくるでしょう。試作品に問題点があると組み立てもきちんとできず、実際に商品の製造が始まり量産が行われても、良い商品を生み出すことはできません。

試作品を用いて設計検証を行うのが大切

設計検証とは、設計および開発を行った結果できあがった商品が、当初から求められている機能を満たしているかどうかを確かめるために行う検証です。確認する項目は、製品仕様・規格・安全性・信頼性・サービス性・製造性・コストなどです。
商品が開発計画書に書かれている開発目標を達成しているかを確かめるのは、企業の信頼性を保つために大変重要なことです。設計検証は、できるだけ設計担当者と検証者を別の人物にすると、検証しやすくなります。
この設計検証を試作品でも行うことで、製造段階における組立をより精密なものに仕上げられるようになります。試作品の組立段階では、部品同士が干渉したり一部部品のサイズが合っていなかったりと、何かしらの問題が発生します。この問題を早い段階で対処することが、今後の効率性を大きく左右します。

試作品を組み立てることで「組み立てやすさ」を確かめる

試作品は、量産品と同じ製造方法で作ります。このため、試作品の組み立ても、量産する段階での組み立て方法と同じ方法で検証しましょう。そうすることで、量産するのと同じ条件で検証ができます。組み立てがうまくできなければ、設計の修正が必要となるかもしれません。
つまり、試作品を組み立ててみないと、設計の修正が必要かどうかを確認できないのです。そのまま量産に進んでしまうと、設計の修正がきかなくなる恐れもあるため、試作品の段階で必ずチェックしなくてはなりません。近年では、3Dプリンターやパソコンを使ったシミュレーションも積極的に導入されていますが、シミュレーションだけでは確認しきれない内容もありますので、試作品を使った確認が必要です。

今回のまとめ

試作品の製作段階で、ミスや課題が見つけられないままで量産に進んでしまうと、組み立てを考慮した設計かどうかも調べられなくなります。コストや時間が余分にかかってしまう可能性もあるため、慎重かつ丁寧な設計を心掛けることが大切です。

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