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発明・商品開発時に取得する特許の「国際出願(特許)」とは?

コラム 2022.02.09

海外進出を目指している企業にとって、特許の国際出願は見逃せない制度です。日本のものづくりの技術は、世界からも注目されており、特許を取得することで技術が国に認められたという事実を証明できます。特許の国際出願とはどのような制度なのか、また出願方法はどうしたらいいのかなど、今回の記事を通して学んでいきましょう。

【目次】 
1.特許の国際出願とは?
2.直接出願よりもPCT国際出願を活用しよう
3.PCT国際出願のメリットとは
4.PCT国際出願に必要な手数料は
5.今回のまとめ

特許の国際出願とは?

特許権は、原則として権利を取得した国内でのみ効力を発揮します。このため、複数の国で技術や発明を保護したい場合は、国ごとに特許出願を行い、権利を得ることが必要です。これを特許の国際出願と言います。日本で特許権を取得していても、海外で取得していない商品は、現地企業が特許を取得してしまう恐れがあるため、海外展開するためには国際出願が必須なのです。

直接出願よりもPCT国際出願を活用しよう

海外で特許出願を行うには、国ごとに特許出願を行う「直接出願」と、PCT((Patent Cooperation Treaty=特許協力条約) に基づいて特許出願を行う「PCT国際出願」とを選ぶことができます。PCT国際出願では、日本の特許庁に特許出願を行い、各国の特許庁による実態調査を経て特許が認められると、日本と同じ効力が発揮されます。各国の審査を受けるためには、日本で書類を提出した日から原則30か月以内に、各国に対して国内移行手続きを行う必要があります。
直接出願では、国ごとで言語や出願方式が違うため、手続きが非常に煩雑になる上、スピード感がかなり劣ってしまいます。PCT国際出願であれば、日本で出願することで、全てのPCT加入国へ特許出願したのと同じ扱いとなるのです。

PCT国際出願のメリットとは

PCT国際出願をおすすめしたいのは、得られるメリットが大きいためです。日本国内の特許庁に提出する出願書類は一通のみで手続きできるうえ、書類に国際出願日が付与されると、PCTの加盟国全てに対して、同じ出願日が適用されます。
また、国際調査によって、過去に類似する発明が出願されていないかを調べることができます。特許が取得できる可能性を精査でき、取得可能性の高い国で手続きできるため、手続きの効率化が期待できます。

PCT国際出願に必要な手数料は

日本国内で、日本語を使って特許庁にPCT国際出願を行うには、次の3つの手数料が必要です。

国際出願手数料 出願用紙の枚数が30枚まで…153,600円、30枚を超えた用紙1枚につき…1,700円(オンライン出願すると、34,600円減額される)
送付手数料 10,000円
調査手数料 70,000円

日本では、ベンチャー企業・中小企業・大学などを対象として、手数料の減免制度がありますので、詳しくは特許庁のホームページで確認してみてください。

経済産業省 特許庁

今回のまとめ

2022年2月には、PCT締約国にジャマイカが加わり、国数は計154か国に達します。海外進出に向けて、戦略的な特許取得を目指すのであれば、PCT国際出願の利用を検討してみましょう。

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