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日用品の試作品製作後に行うべきホームユーステストとは
日用品として主に使用する商品の開発を進める際には、試作品の評価の集め方として、ホームユーステストに注目しておくべきといえるでしょう。評価を集める手法としてはあらゆる手法が挙げられますが、日用品の評価手法としてはホームユーステストが最も適している場合が多いと考えられます。そこで今回は、ホームユーステストとは何かという点を整理したうえで、利点や注意点などを解説していきます。
【目次】
1. ホームユーステストとは
2. ホームユーステストのメリット
3. ホームユーステスト実施における注意点
4. 今回のまとめ
1. ホームユーステストとは
商品の改良を重ねるためには、あらかじめ掲げたコンセプトや絞ったターゲット層の整合性を測定し改善点を洗い出すための方法として、試作品の評価を集める工程が重要となります。これはあらゆる分野のものづくりにおいて欠かせない工程といえるでしょう。どれだけ綿密に商品の価値を策定し、ターゲティングを実施したとしても、そのずれが生じることは決して珍しいことではありません。そこで改良を重ねるために大事なのが試作品の評価であり、その評価手法にはあらゆるパターンがあります。
その中でも日用品を試してもらう際に効果的な手法としてよく選ばれるものには、ホームユーステストという手法があります。これは試作品をモニターとなる消費者のもとに送り、一定期間実際に使用してもらうことで、素直に感じた評価や感想をアンケートなどで調べる方法になります。あらゆる評価の集め方の中でもホームユーステストは、会場調査とあわせて頻繁に採用される傾向が強いのも特徴といえます。
2. ホームユーステストのメリット
サンプルとして実際に生産された商品をモニターの自宅で使ってもらうため、日用品としての使用感を最もイメージしやすいのがホームユーステスト最大の利点といえるでしょう。また、日用品の多くは軽くその場で使ってみただけでは実際に使用感を捉えづらいため、会場調査よりもリアルな評価を集められます。長く使ってみなければわからない実用性や日常生活へのなじみやすさなどの評価が、ホームユーステストでは比較的把握しやすくなります。
また、モニターの同居家族からも商品に対する本音がヒアリングできるのもメリットにつながるといえるでしょう。家族で使うものなどはなおさらホームユーステストが向いていると考えられます。
3. ホームユーステスト実施における注意点
日用品としての使用感がイメージしやすいホームユーステストですが、実施時にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。まず、会場を設けて行われる会場評価と違って自社で試作品の管理を行わなくなるという性質から、ホームユーステストの際には情報漏洩のリスクについて細心の注意を払わなければならなくなります。近年はSNSが普及しており、例えばモニターが試作品の情報をSNSにアップしてしまえば、リリース前に重要な商品情報がネット上に流れ出ることになります。「今回の調査で得た情報は一切口外しない」などのルールについて、事前に共有を強化しておくことは欠かせないでしょう。
また、ホームユーステストでは等しい条件・環境下での調査ができないため、モニターの使用環境に影響された評価になることも難点として指摘されます。これに対して会場評価ではある程度環境を等しくした状態での評価収集が可能になるため、評価するうえでモニターそれぞれの環境の影響を受けないのは利点と考えられます。
4. 今回のまとめ
日用品の試作を適切に評価してもらうためには、数日使用してもらえるという条件が整うホームユーステストが有効といえます。かしこまった場での調査にならないため、ホームユーステストではモニターの本音をより集めやすいのも利点といえるでしょう。しかし情報漏洩などのリスクが伴うのも事実としてあるため、評価を集める際にはメリットと注意点の両方をチェックしたうえで、ホームユーステストで問題ないかどうか適切に判断していくことが重要といえます。