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個人が商品開発を行う上で大切な商品の企画・概要設計とは

コラム 2021.12.07

多くの企業に「商品企画部」が設けられています。企業ではなく個人で商品開発を行うなら、規模はずっと小さくても「商品企画」を自ら行う必要があります。なぜなら、商品開発とはつまり「企画したものを形にする作業」であり、企画なしには始まらないからです。
企業が代金を投じて行うような大々的なリサーチは無理でも、個人レベルで可能な範囲の商品企画を行いましょう。この記事では、商品の企画や概要設計とは何か、どういった考え方で進めていけばよいかについて解説しています。商品開発を検討されているなら、ぜひご参考になさってください!

【目次】
1.商品開発の土台!企画と概要設計
2.商品企画は商品開発のはじめの一歩
3.商品の骨格となる概要設計
4.「この商品が不要な理由」も考えてみよう
5.今回のまとめ

商品開発の土台!企画と概要設計

商品開発という行為全体の土台となるのが企画と概要設計です。「商品企画や概要設計なんて企業のすること。個人で商品開発するなら関係ない」と心のどこかで思っていませんか?ですが考えてみてください。企業であっても個人であっても「売れなくては意味がない」のは同じ。そして、いくら販売方法に工夫をこらしたところで商品自体にニーズがなければ売れません。
また、消費者の立場からすれば、買おうとする商品が誰によって開発されたものかは重要ではありませんよね?つまり、商品の企画や概要設計が肝心であることは企業であっても個人であっても変わりはなく、商品開発の流れやポイントにも差はないということです。

商品企画は商品開発のはじめの一歩

デザインを考えたり販売方法を決めたりといったプロセスに先行して発生する作業であり、商品開発のはじめの一歩に当たるのが商品企画です。アイデアやイメージを形にするに当たり、アイデアやイメージがなければそもそも開発できませんし、自分でもよくわからないまま曖昧に進めてしまえば「消費者の心に刺さる商品」を実現するのは困難でしょう。
どんな機能を持った商品なのか、どういった悩みを解消する商品なのか、どんなユーザーに対しどんなベネフィットをもたらす商品なのか……。そういった点を最初の段階でしっかり固めておくことが手戻りを防ぎます。

商品の骨格となる概要設計

商品のコンセプトを決めるのが概要設計です。商品企画プロセスの一部であり、とりわけ重要な作業といえるでしょう。ひと言で言えば「その商品の価値は何か?」を端的に表すのが商品コンセプトです。「細かな部分の掃除までなかなか手が回らない人が、手間をかけずに部屋の隅のほうまで掃除できるツール」「朝降っていた雨が午後になって止むと傘を忘れてしまう失敗を繰り返している人が、傘を忘れずに持ち帰れる」。誰に、どんなシーンで、どんな便益を提供するのかを明確にしましょう。
このコンセプト部分がしっかり定まっていないと、商品としての焦点がぼやけ、訴求力が著しく低下してしまいます。

「この商品が不要な理由」も考えてみよう

なくても問題のない商品は売れません。商品企画の段階で「この商品が要らない理由」が存在しないかについても考えましょう。誤った前提で商品開発を進めてしまうのを避けるために必要なプロセスです。ほとんど同じような競合商品が既に販売されていないか、アプローチしようとしている課題が他の手段で十分に解決可能ではないかを、インターネットで検索するなどして調べてみましょう。

今回のまとめ

さっぱり売れずに困っていた商品が、商品コンセプトを変えたら大人気商品へと生まれ変わったという話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。商品そのものは一切変えていないのに、ただ「誰にどんなベネフィットを提供するのか」という切り口を変えるだけで、売れ行きは大きく違ってくるということです。
そうした例は、商品の企画・概要設計がいかに大切かを如実に物語っているといえるでしょう。商品開発という大海原への出航に当たり、どちらの方角へ進むのかを決める海図が企画・概要設計です。正しい方角へと力いっぱい進んでいけるよう、概要設計を含めた企画プロセスは入念に行いたいですね。