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ものづくりの完成度が上がる個人が材料知識を学ぶポイントとは?

コラム 2022.06.08

ものづくりの完成度を左右する要因のひとつに、材料選びが挙げられます。しかし、世の中にはたくさんの材料があり、学ぶにしてもどこから手をつけてよいのか戸惑うことも多いのではないでしょうか。今回は、個人でものづくりをする上で必要な材料知識を学ぶポイントをご紹介します。ハイクオリティーなものづくりの参考にしてみてください。

【目次】
1. ものづくりでは材料がどのような性質を持っているのか知ることが大事
2. 材料の性質によって加工方法や処理方法が変わる
3. 目的に合う材料を選択する
4. 今回のまとめ

ものづくりでは材料がどのような性質を持っているのか知ることが大事

ものづくりのための材料選びは、その性質を知ることから始まります。まず知っておきたいのは、「日本工業規格(JIS)」についてです。材料の標準化と適正品質の確保のために規定された規格で、材料とその諸特性を知ることができます。
ただし、膨大な数の材料すべてを毎回検索するわけにもいきません。そこで覚えておくと便利なのが、材料の機能を決定づける3つの性質です。材料の性質をある程度知っていれば、どのような種類の材料であっても特徴をつかみやすくなるでしょう。材料の性質は、大きく以下の3つの切り口から知ることが可能です。

・機械的性質
外から加わる力に耐えるための性質のこと
例:剛性/強度/硬度/じん性/ぜい性

・物理的性質
使用条件に対する性質のこと
例:密度(比重)/導電率/線膨張係数/熱伝導率/耐熱性/磁性/透明性・透過性

・化学的性質
環境に対する性質のこと
例:耐食性

材料の性質によって加工方法や処理方法が変わる

材料の性質によって、最適な加工方法や処理方法は異なります。まずは、ものづくりでよく使われる5つの加工方法を確認しておきましょう。

・切削加工
材料を削って形をつくる方法。加工精度は高いが時間がかかる。
旋盤加工/フライス加工/穴開け加工/研削加工

・成形加工
型を使って形を変える・成形する方法。大量生産に向いている。
板金加工/鋳造/射出加工

・熱処理・表面処理
形を変えずに熱処理や皮膜加工で材料の特性を変える方法。

・接合加工
材料同士を接合する方法。単体加工が難しい場合に有効。

・特殊加工
力以外のエネルギーを使う方法。高精度な加工や複雑な形状の加工も可能。
レーザー加工/放電加工/エッチング加工/3Dプリンター

性質に合わせて方法を変えるのはもちろんですが、個人の場合は自分でできる処理が限られている場合もあるため、加工方法から逆算して材料を選ばなければいけない場合もあります。

目的に合う材料を選択する

完成品の用途や使用方法によっても、選択すべき材料が変わります。加工方法や使用目的まで踏まえた上で、本当に必要な材料の特性を判断する必要があるのです。完成品の使用目的は、詳細まで決まっていなくても問題ありません。
一般的には、使用の頻度・環境の想定をもとに判断することがほとんどです。日常的に使うものや屋外で使うアイテムであれば、強度や耐性(耐久性・耐水性・耐荷重など)への配慮が必要です。アイテムによっては安全性・信頼性に重きをおくべき場合もありますし、納期によって入手・加工が可能な材料が限られるケースも考えられます。
さらに、仕上がり寸法に近い材料形状や寸法規格も考慮してチョイスすると、加工の手間やコストを抑えることにも繋がります。裏を返せば、使用目的がはっきりしているアイテムほど、必要な特性が備わっている材料でつくられていなければ「使い勝手の悪い」仕上がりになってしまうということです。

今回のまとめ

ものづくりのための材料は、「特性」「加工方法」「目的」から必要なものを絞り込むと選びやすいことがわかります。一般的な特性や加工方法を学んでおくことはもちろんですが、困ったときには過去の事例を確認したりものづくりに詳しい人にアドバイスを仰いだりするのもひとつの方法です。
ホームセンターやカタログなどでさまざまな材料を見るのも、ものづくりの醍醐味かもしれません。日頃から楽しんでさまざまな材料に触れながら、学んでみてはいかがでしょうか。

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