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個人で商品開発を考えている人なら知っておきたい個人のものづくりにおける図面の必要性

コラム 2022.06.06

個人レベルでの商品開発であっても、開発した商品がヒットすれば、大量生産の必要が生じます。その場合は生産を他社へ依頼するという方法がありますが、ここで必要となるのが図面です。図面とは商品の仕様などを詳しく記載した書類のことで、開発後のさまざまな場面で使用します。今回は、個人レベルでの商品開発であっても図面を作成することの重要性について見ていきましょう。

【目次】
1. ものづくりにおける図面は情報を共有する役割がある
2. ものづくりは履歴を保存する必要性がある
3. 部品や材料を手配する場合は図面が欠かせない
4. 今回のまとめ

ものづくりにおける図面は情報を共有する役割がある

商品開発は個人で行うことも可能です。しかし、それを大量生産し、顧客へ販売するためには、多くの人がその工程にかかわることとなります。
この工程に関わる全ての人は、商品の情報を共有していなければなりません。例えば、開発した商品の生産を外部業者に委託する場合、生産を行う業者に商品の形状や大きさなどを詳しく伝える必要が生じます。また、商品を販売する人も仕様を熟知していなければなりません。
これらの商品の仕様に関する情報が記載された図面を制作しておけば、このような場面でも容易に情報共有が行えるため、スムーズな生産が可能となるのです。
また、情報の共有を目的とする場合、図面は共通のルールのもと作られなければなりません。一般的には共通ルールは日本産業規格(JIS)の製図法が適用されており、図面作成もこのルールに従って行う必要があります。

ものづくりは履歴を保存する必要性がある

図面には、商品の開発における変更履歴を残すという役目もあります。商品開発では何度も仕様を変更し、試行錯誤を繰り返しながら最適なものを作り上げていくことになるのです。このような商品自体の仕様の変更を履歴として残しておくと、それ以降の開発作業においても活かせます。
例えば、商品のサイズが変更になった場合にそのことを履歴として残しておけば、その変更前のサイズは最適なものではないという事実を残すことが可能です。
図面の履歴を残す際は、「変更事項欄」を作成し、日付や変更理由、変更者・確認者の署名などを記入できるようにしておくと良いでしょう。また、最終的な確定版の図面が完成しても、過去の変更履歴は図面の一部として残しておくことをおすすめします。

部品や材料を手配する場合は図面が欠かせない

開発した商品を生産する際には、部品や材料の手配も行わなければなりません。場合によっては生産そのものを行う業者と部品の製造を行う業者が異なるケースもあり、このような場合にも図面の作成と共有が必要となるのです。
とりわけ特殊な形状をした部品を一から作る場合、その生産を行う業者には部品のサイズや形状、材料などの詳しい情報を伝える必要があります。これらの情報を伝える上でも図面が不可欠となるため、商品の開発時には詳細な情報を記載した図面を作成しておかなければなりません。
また、部品を生産する業者側は、図面の内容を見て費用や時間の見積もりを行います。図面に記載された内容が大雑把なものだったりすると正確な見積もりができず、追加料金の発生や生産自体の停滞といったトラブルが生じてしまうこともあるので注意が必要です。

今回のまとめ

生産や販売を想定した個人レベルでの商品開発ではあっても、図面を作成して商品の仕様に関する情報を共有できる状態にしておくことが大切です。ただし、図面に記載された情報の共有時にはその流出リスクも伴うことから、先に特許取得の準備をある程度進めておくといった対策を講じておくといった対処も行っておきましょう。