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商品開発を行う際に試作段階で行うべき評価の調査方法

コラム 2022.02.03

商品開発の工程をスムーズに進めるために重要なのが、試作段階での評価の調査です。商品の試作として作られたものを実際に使ってもらえば、商品の改良ポイントなどを客観的に見極めることができます。開発側が意図したとおりに商品の良さが消費者に伝わらないことは意外と多いため、試作の段階から評価を調査することは非常に重要と考えられます。そこで今回は、試作段階における評価の調査方法を紹介していきます。

【目次】 
1. 試作段階で評価を調査するメリット
2. 試作段階における評価の調査方法
3. 今回のまとめ

1. 試作段階で評価を調査するメリット

試作段階で開発した商品の評価をリサーチすることができれば、絞ったターゲット層に魅力を感じてもらえるのか、意図したコンセプトが伝わっているのか、改良すべき点は何があるのかなどを客観的に調べることができます。商品開発においてターゲティングを行い刺さる年代や職種などを絞り込み、その層が魅力を感じるようにデザインや機能性を考えることは基本といえますが、これらの工程は商品が世に出るまで仮説でしかないのも事実です。実際にその層に魅力を感じてもらえるのか検証したうえで商品開発を行っているわけではないため、机上の空論となってしまうこともしばしば起こりえることです。こういった戦略を机上の空論にしないためには、やはり検証が必要となります。
そこで行うのが試作段階での評価調査です。まだ試作とはいえ、モニターとなる人からの評価を集めれば、マーケティング戦略が適切なのか検証することができ、さらに改良すべきポイントを見極めることが可能となります。

2. 試作段階における評価の調査方法

調査方法にはさまざまな方法があり、例としては会場調査、ホームユーステスト、インタビューなどがあります。では、それぞれの特徴や概要を整理していきましょう。

会場調査

試作を発表するイベントを実施し、集まったモニターに商品を評価してもらう手法です。イベント会場の中でモニターが実際に商品に触れて評価を行うため、限られた時間の中でもたくさんの評価データを集めることができるのが特徴です。
例えば「使いやすい」と回答したモニターに対して、「細かく言うとどういった点で使いやすいと思いましたか」と質問できるのも利点といえるでしょう。また、会場の中で限定して調査を行うため、情報漏洩を防げるなどのポイントもあります。

ホームユーステスト

モニターの自宅に試作を実際に送り、使用感やその他抱いた印象・感想などをその後のアンケート調査によってリサーチする方法です。特に一時的な利用ではなく、しばらくの間使わなければ使用感が評価しづらい商品の評価において用いられるのが特徴です。また、かしこまった特徴がみられる会場調査とは異なり、モニターが必要以上に緊張せずに評価できるという利点もみられます。

インタビュー

インタビューには、グループ形式のものと1対1で実施するものとで2パターンあります。グループ形式では、商品の使いやすさなどのテーマをもとに自由に意見を出し合うかたちがとられます。
1対1のインタビューでは、試作についての使用感や感想などを詳しくヒアリングできるのが特徴です。
グループ形式では短い時間でさまざまな評価の調査が可能になること、1対1のインタビューでは購買につながる理由を具体的に把握できるという点からペルソナ設定に貢献しやすいなどの利点が挙げられます。

3.今回のまとめ

試作段階において評価の調査をすることは、その商品のコンセプトや販売戦略を客観的に見つめるうえで大きく役に立ちます。具体的にターゲットを設定し、商品のポジショニングを行ったとしても、そのコンセプトどおりに商品が受け入れられないことは珍しくありません。そんなとき何が原因となっているのか見極めるうえで、試作段階での評価は重要な役割を果たすといえるでしょう。会場調査やホームユーステストなどの調査方法を知ったうえで、商品の改良ポイントを見極めていきましょう。