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商品開発の調査・検討段階で行うクラスター分析とは
どのような商品の開発し提供することが売り上げ増加に貢献できるのか、その答えを確かめるには、分析によって商品の価値を明確にしていくことが大切です。そこで分析手法の一つとしてし、調査や検討の段階において実践しておきたいものの一つに、クラスター分析があります。分析手法にはさまざまなものがありますが、マーケティング用語の一つとして分析の内容や目的などはしっかり理解しておきたいところです。そこで今回は、商品開発において調査や検討の段階で行われるクラスター分析について解説していきたいと思います。
クラスター分析とは
もともとクラスターとは、同じ好みや価値観、ライフスタイルを持つ一つの集団のことを指します。売れる商品を作るためにはこのクラスターをリサーチしたうえで、ペルソナ設定を行うことが重要とされます。そして、この集団に目を向けて分析を行っていくのがクラスター分析といいます。
具体的には、分類がはっきりしていない集団の中から、ある共通点が見られる集団を見極めることをクラスター分析といいます。特徴的なのは、分類がもともとはっきりしていないというポイントです。例えば性別や年齢など、その人たちのプロフィール的な特徴から集団を分けるのは、単純なカテゴライズの話になるため、クラスター分析には該当しません。
行動や考え方、好みなどのはっきりしない点に目を向け、その集団の定義づけを行っていくことがクラスター分析にあたります。また、クラスター分析は一部ではクラスタリングとも呼ばれます。
クラスター分析を行う目的
クラスター分析が必要となるシーンや目的を考えてみましょう。クラスター分析では、多種多様なデータの中から共通項を持つグループを見いだすことが可能です。このため商品開発の行程においては、商圏を見極めたり、商品のポジショニングを行ったりする際に活用される場合が多いのが特徴です。
例えば商品の顧客層を見極めるためには、単純に年齢や性別でパターンをリサーチするのみではなく、「最も多い利用シーン」「持っている趣味」「日常生活で抱えている悩み」など、本来はっきりとしていない項目でグループ化を行うことが重要です。これにより、さらに明確な顧客層が明らかになるため、その顧客に刺さるアプローチが商品開発において可能となります。
クラスター分析の種類
クラスター分析には、2つのパターンの手法があります。
1つ目は階層クラスター分析で、これは多種多様なデータをもとに特徴が似ているデータからまとめていき、順を追ってグループ(クラスター)の数を絞っていく方法になります。
一方で、2つ目の種類は非階層クラスター分析といい、これは、分析を行うにあたって前もってグループの数を決めておくのが特徴です。そしてこの数に基づいてクラスタリングを実施します。このため主に、階層クラスター分析のように段階的にグループを絞っていくのが困難なビッグデータを扱うときに用いられるのが特徴です。
クラスター分析を行う際には、データの規模や特性から判断したうえで、どちらの手法を用いるか最初に決めていきます。
今回のまとめ
クラスター分析は、商品開発において重要なベネフィットの設定、競合他社と比較したときの自社商品のポジションの決定などで必要となる分析手法です。クラスタリングを実施すれば、顧客の行動や趣味嗜好など、より細かいポイントでグループを見極めることができ、商品プロモーションや改良の際に役立つことが考えられます。単純にクオリティが高い、求めやすい価格といった良さだけで売り上げを伸ばすことは難しいため、アプローチすべきターゲット層を見極めるためにも、クラスター分析のような分析工程は積極的に取り入れていくべきといえるでしょう。