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商品開発の調査・検討段階で行うコレスポンデンス分析とは

コラム 2022.01.21

商品開発を進めるうえで一般消費者などにアンケート調査を行い、ブランドアイデンティティや他社と差別化できるポイントを明らかにしていくためには、あらゆる統計や分析が必要となります。どのような商品を開発することがその市場において求められているのか、調査・検討を効率よく進めるためには、よくある分析手法の一つ、コレスポンデンス分析について知っておくことが必要不可欠となります。そこで今回は、コレスポンデンス分析とは何かという点を見たうえで、具体的なメリットや進め方を解説していきます。

【目次】 
1. コレスポンデンス分析とは
2. コレスポンデンス分析の具体的な方法
3. 今回のまとめ

コレスポンデンス分析とは

商品開発で調査を進める際に用いられる分析手法の一つに、コレスポンデンス分析があります。これは統計学から来るデータの分析手法にあたり、アンケートの回答結果などを散布図にしてわかりやすく示していくのが主な内容です。
コレスポンデンス分析を取り入れて集めたデータを見れば、調査結果がふかんから確認できるかたちで可視化されるのがポイントです。シンプルなクロス集計表も見やすいパターンの一つですが、その結果をより客観的に確認したうえでわかることを分析するには、さらに別の方法を用いて調査結果を示すことが重要とされます。
そこで用いられるのがコレスポンデンス分析となり、マーケティング部門や商品開発部門の中では略して「コレポン」とも呼ばれます。

コレスポンデンス分析の具体的な方法

集計表ではいまいち調査結果を把握しづらく、商品のブランドイメージやポジショニングを決定することが困難だと感じた際には、主に以下のような方法でコレスポンデンス分析を進めていきます。

なぜ分析が必要なのか最初に目的を決める

コレスポンデンス分析を行う必要性や目的を最初に明らかにしましょう。例えば、クッションを新しく開発して売りたいと思うのであれば、顧客にとってのわかりやすいベネフィット(=その商品を利用することで得られる恩恵、価値)が必要です。
そして、それは他社と一線を画すものでなくてはならないため、そういった観点から差別化できるポイントを決めることが重要です。そのために市場の状況なども含めて明らかにするために、コレスポンデンス分析を用いる…などの明確な目的の設定が重要です。

アンケート調査を反映させたクロス集計表をシステムで分析

続いてイベントやwebサイトなどでアンケート調査を実施し、その結果をクロス集計表におこします。作成したクロス集計表は、主に統計ソフトなどを導入して分析を進めていきます。

競合他社の商品と自社商品の散布図を確認する

分析の結果、最終的には散布図におこしていきます。これにより、例えばクッションであれば使いやすさ、信頼性、肌触りの良さ、座り心地、健康に良い、デザインが優れているなどの項目で見たときの商品の散布図をふかんからチェックすることが可能になります。この結果、自社商品の「ポジション」が明らかになり、商品開発において重要視すべき商品のベネフィットがわかってきます。

商品開発にコレスポンデンス分析の結果を活かす

例えばクッションの場合、コレスポンデンス分析の結果、自社商品は他社よりもデザイン性に優れているという結果が出たとします。これによりクッションの改良を図る場合は、例えば価格の安さや機能性よりも、デザインに特化していくことが他社との差別化を図れるポイントであることがわかります。

今回のまとめ

コレスポンデンス分析では、商品開発において自社商品の価値をより明らかにするうえで重要な役割を果たしてくれます。アンケート調査の結果を表にまとめるのみでは他社と差別化できるポイントはいまいち把握できないことが多く、今後の戦略を悩ませる要因になります。他社と明らかに違うポイントで消費者の興味を引けるように、コレスポンデンス分析を用いて、自社商品のポジションを見極めていきましょう。