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ものづくりに欠かせない試作品・モックアップ(模型)製作技術の種類

コラム 2021.11.15

ものづくりを行う際は、製品の見た目や使用感、機能などを検討するために試作品やモックアップ、デザインモデル、性能検討用モデルなどを製作することが一般的です。試作品やモックアップなどの製作には様々な技術や方法があり、目的に応じて製作技術を検討して使い分けることが品質向上や製品開発の効率化の鍵となります。
そこで今回は、ものづくりに欠かせない試作品・モックアップ製作技術の種類についてお伝えします。

【目次】
1.試作品製作技術は0からものを作り上げることに特化しています
2.試作品・モックアップ製作で用いられる「切削加工」
3.試作品・モックアップ製作で用いられる「粉末造形」
4.試作品・モックアップ製作で用いられる「真空注型」
5.試作品・モックアップ製作で用いられる「真空成形」
6.今回のまとめ

試作品製作技術は0からものを作り上げることに特化しています

物の製造技術は、量産を前提とした製造技術と、0から試作品を作り上げるための製造技術に分けられます。
例えば、製品を量産する工場のラインでは、製品の金型を用いた成形技術が用いられ、金型の元となる原型が必要です。一方、量産の前段階に製作する試作品やモックアップは、0から物を作り上げるため、材料の塊から削って形作る切削加工や、材料を一層ずつ固めて作り上げる粉末造形が主な技術として用いられています。その他にも、樹脂を固めて形作る真空注型や、シート状の材料を軟化させて形作る真空成形などの技術が用いられ、製造する物や目的、予算、納期、素材などによって使い分けられます。

試作品・モックアップ製作で用いられる「切削加工」

切削加工とは、文字通り材料の塊を削って形作る技術で、古くから用いられてきた加工方法です。機械や手作業で金属など硬い物も削り出すことができるため、幅広い素材の加工に対応することができます。

試作品・モックアップ製作で用いられる「粉末造形」

粉末造形とは、積層造形や3Dプリントとも呼ばれる技術で、樹脂やプラスチックなどの粉状の材料を一層ずつ積み重ねて固め、物の形を成型します。3Dデータを読み込んで形作るため、切削加工では実現できないような複雑な内部構造も迅速に実現することができます。

試作品・モックアップ製作で用いられる「真空注型」

真空注型とは、切削加工や粉末造形で製作したものを型取り、型に樹脂などの素材を流し込んで複製する技術のことを指します。真空状態の槽の中で形作るため気泡が発生しづらく、高精度で試作品を作ることができます。また、金型よりも安価で同じものを20個程度まで複製することができ、カラーの検討やスペアの製作に適しています。

試作品・モックアップ製作で用いられる「真空成形」

真空成形とは、プラスチックのシートを軟化させ、型の形状で硬化させる技術のことを指し、薄型のものを製作することに適しています。材料のシートを一枚ずつセットして製作するため、同じ形状で材質や色を変更しながら複数個作ることができ、カラーの検討やスペアの制作に適しています。

今回のまとめ

物の製造技術は、量産を前提とした製造技術と、0から試作品を作り上げるための製造技術に分けられ、試作品製作においては、切削加工・粉末造形・真空注型・真空成形などの技術が主として用いられます。製作する物の形状や素材などに応じて使い分けることにより、効率的かつ高精度で試作品を製作することができます。
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