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リバースエンジニアリングとは?個人が商品開発する際にリバースエンジニアリングは必要?

コラム 2022.09.30

個人で商品開発をしていると、「リバースエンジニアリング」という用語を聞いたことがあるかもしれません。リバースエンジニアリングは近年製造業で再注目されている開発手法で、日本語では「逆行工学」と訳されることが多いです。
今回は、個人での商品開発にリバースエンジニアリングは必要なのか解説します。

【目次】
1.ものづくりにおけるリバースエンジニアリングとは?
2.商品開発の際にリバースエンジニアリングを活用するメリットと注意点
3.個人で商品開発する際にリバースエンジニアリングは行うべき?
4.今回のまとめ

ものづくりにおけるリバースエンジニアリングとは?

ものづくりにおいて、リバースエンジニアリングとは既存の製品を分解・分析すること。通常のものづくりでは、一から設計を行い、部品を製造する手法を取ることが少なくありません。リバースエンジニアリングの場合、それとは逆に、まず既存の製品を分解・分析することから始めます。そして、分析結果から、製造方法や部品、原理などの確認が可能です。
その後、得た情報を参考にして製品の設計を行います。そのため、一から設計するよりも素早く、そして既存の製品をレベルアップさせた製品の開発が可能です。古くから使われていた手法ですが、3Dスキャナーなど技術の発達に伴い、近年再注目されるようになりました。多くのメリットがあるので、リバースエンジニアリングを活用する企業も増えています。

商品開発の際にリバースエンジニアリングを活用するメリットと注意点

商品開発でリバースエンジニアリングを活用することで、開発時間を短縮できます。通常、新商品を開発するためには設計から部品の製造、試行錯誤などが必要なので、膨大な時間がかかってしまいかねません。1つの商品開発に、数年~数十年という長期間かかることもあるのです。
しかし、リバースエンジニアリングを使えば既存のものからヒントが得られるので、開発にかける時間を大幅に短縮可能。さらに、試作品を作る過程で発生する開発コストも抑えられます。また、市場に存在する商品の問題点や課題も明らかにできるので、よりよい商品の開発が可能です。
ただし、リバースエンジニアリングを活用する場合、知的財産権に注意しなければなりません。研究や新製品の開発のために、リバースエンジニアリングを活用する場合は問題ないですが、既存品をコピーして販売することは著作権や特許の侵害に当たるので注意してください。

個人で商品開発する際にリバースエンジニアリングは行うべき?

その目的がはっきりしている場合、個人で商品開発をする際にリバースエンジニアリングを行うべきです。例えば、既存の商品を改良した商品開発を行いたい場合、リバースエンジニアリングを活用する意味は大いにあります。他にも、開発コストを削減したい場合や開発時間を短縮したい場合には、リバースエンジニアリングが役立つかもしれません。
複雑な商品開発を行いたいときも、リバースエンジニアリングを有効活用できるでしょう。しかし、目的が曖昧な場合は、リバースエンジニアリングを使わないのが無難です。リバースエンジニアリングには計測器や3Dスキャナーやデータの処理・加工、図面作成の技術などが必要になってきます。そのため、企業で行うことが多いのが現状です。
個人の商品開発でリバースエンジニアリングを最大限活用することは難しいので、明確な目的が無い場合は行わない方が賢明でしょう。

今回のまとめ

リバースエンジニアリングは非常に便利な手法です。開発期間の短縮やコスト削減、よりよい商品の開発につながるなど、さまざまなメリットがあります。古くから使われていた手法ですが、近年は技術の発達により再注目されるようになりました。その目的がはっきりしているなら、個人の商品開発でもリバースエンジニアリングを活用できる可能性があります。ただし、そうでない場合はリバースエンジニアリングを行うべきではありません。
メリットなどを十分に考慮しながら、リバースエンジニアリングを行うべきかどうか判断してください。