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試作品・商品開発を行う際に利用する3Dプリンターで使える素材

コラム 2022.02.28

3Dデータさえあればすぐさま造形プロセスへと移れる3Dプリンターは、試作品製作においてはとりわけ便利で、時間との勝負という側面のある商品開発には欠かせない存在となっています。さまざまな素材を用いた造形が可能ですが、各素材への対応可否は3Dプリンターの造形方式により異なります。
そのため、どんな素材が製作したいものに適するかを把握することが、どの方式の3Dプリンターを利用すべきかの判断の前提となります。そこで本コラムでは、商品開発における試作品製作に利用する3Dプリンターで使える主な素材を、メリット・デメリットや対応する造形方式とともにご紹介します。

【目次】
1.もっともメジャーなABS樹脂
2.エコで安定性も高いPLA樹脂
3.低コストで着色しやすい石膏
4.電気絶縁性に優れるエポキシ樹脂
5.透過性抜群のアクリル樹脂
6.今回のまとめ

もっともメジャーなABS樹脂

汎用性があり強度も高いことから、幅広い分野で使われているのがABS樹脂です。高温で溶かした素材をノズルから押し出し、一筆書きの要領で積み重ねて造形するFDM方式(熱溶解方式)の3Dプリンターで使われます。剛性はあっても一定の柔らかさも持ち合わせているため、造形後の研磨や着色も容易です。
注意点としては、冷えて固まる際に収縮するため反りやすく、寸法精度も低くなりがちなことが挙げられます。

エコで安定性も高いPLA樹脂

ABS樹脂同様にFDM方式の3Dプリンターで使われるPLA樹脂は、植物由来であるため環境負担が少なく、造形時にもいわゆる「プラスチックが溶けたニオイ」が気になりません。ABS樹脂よりも熱収縮が小さく、反りやゆがみを起こしにくい安定性があります。
ただし、大変硬質で弾力性や耐衝撃性がABS樹脂に劣るため造形後の研磨が難しく、塗料が乗りにくいという欠点もあります。

低コストで着色しやすい石膏

粉末状の石膏を結合剤で硬化させて造形するバインダージェッティング方式(粉末固着方式)の3Dプリンターで使われるのが石膏です。安価な素材であり、造形速度も他と比べ速く、着色も容易なためフルカラー造形が可能。
ただし、石膏を用いた造形物は脆いので、基本的には見るだけ、確認するだけ、飾るだけといった強度があまり問われない用途に適し、特にフィギュアや模型の製作に広く利用されています。

電気絶縁性に優れるエポキシ樹脂

エポキシ樹脂は光硬化性の樹脂の一種で、液状の樹脂を紫外線で固めて造形する光造形方式の3Dプリンターで使われることが一般的です。耐熱性や耐薬品性に優れているだけでなく、高い電気絶縁性を持っているため、電子機器まわりのパーツの造形には特に向いています。しかし、太陽光により劣化する点に注意が必要です。

透過性抜群のアクリル樹脂

アクリル樹脂もエポキシ樹脂と同じく光硬化性の樹脂で、インクジェット方式の3Dプリンターで使われます。光学レンズにも用いられるほど透過性が高いため、造形物の内部の様子を確認できる点が大きな特長です。造形後に研磨することで透明度をさらに高められます。
ただし、耐衝撃性はあるものの、表面に傷がつきやすいことが注意点です。

今回のまとめ

ご紹介した素材は、3Dプリンターで使える素材のほんの一部に過ぎません。3Dプリンターの進化とともに使える素材の種類もますます増えています。製作したいものの性質に見合った素材を選択するには、やはりプロの的確なアドバイスを受けるのが望ましいでしょう。ハツメイトでは、試作品製作を含む商品開発の一連のプロセスをサポートしています。アイデアをカタチにするお手伝いなら、ハツメイトにぜひお任せください!

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