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試作品・商品開発を行う際に利用する3Dプリンターが得意とする造形

コラム 2022.02.25

3Dプリンターの登場は、商品開発における試作品製作をはじめ、さまざまなシーンで劇的な時短・省力化をもたらしました。とはいえ、それこそ何でも簡単に作り出せるようなイメージのある3Dプリンターですが、やはり得意分野もあれば不得手なジャンルもあります。そこで本コラムでは、3Dプリンターが得意とする造形にはどういったものがあるかをご紹介します。
この記事をお読みいただければ、目的の用途に3Dプリンターが適しているかどうかを判断できるようになるだけでなく、3Dプリンターがとりわけ商品開発で重宝されている理由にも納得していただけるはずです。

【目次】
1.複雑な形状の造形
2.複数の素材を組み合わせた造形
3.少量生産を前提とした造形
4.今回のまとめ

複雑な形状の造形

切削加工や射出成形などの従来工法では対応できないか、不可能ではなくても大変困難な複雑な造形は、3Dプリンターの大変得意とするところです。しかもそうした複雑な形状を、造形した複数のパーツを組み立てて実現するのではなく、一体造形で作り出すことが多くの場合可能です。
また、金属3Dプリンターであれば、細かなラティス構造(枝状に分岐した格子を規則的に並べることにより、内部が空洞のセルの集合体となる構造)の造形物も製作できます。強度を保ちながら軽量化を図れるラティス構造は、切削加工では不可能な構造ですので、3Dプリンターの独壇場といえるでしょう。

複数の素材を組み合わせた造形

複数の素材を組み合わせた造形も3Dプリンターの得意分野です。ハイエンド機種にのみ搭載されている機能ではありますが、たとえば透明樹脂とプラスチック、ゴムなどの異素材を同時に使用しての製作が可能です。素材ごとに個別に造形したものを後から組み立てる必要はありません。
さらに、フルカラー出力に対応していれば、造形後の塗装も不要。幅広い表現と高い再現性が簡単に実現します。

少量生産を前提とした造形

技術面の話ではなく条件面の話とはなりますが、少量生産を前提とする造形物には3Dプリンターがぴったりです。試作品や治具のようにごく限られた個数を製作するもの、小ロットの製品、需要が少なくオンデマンド生産が望ましいサービスパーツなどが例として挙げられます。
1層1層重ねて造形していく仕組みの3Dプリンターは、製作個数に比例して時間がかかり、コスト面でのスケールメリットもあまり望めませんので、基本的に量産には向きません。もしも量産するなら、たとえば射出成形などの他工法を検討すべきです。
しかし、データさえ用意できていれば金型も不要ですぐに製作でき、リードタイムを大幅に短縮できるため、限られた個数を必要に応じ都度製作するケースには最適なのです。

今回のまとめ

試作品製作・商品開発において今や欠かせない3Dプリンターですが、ありとあらゆるケースに最適な魔法のアイテムではなく、あくまで一つの道具に過ぎません。「3Dプリンターだからこそうまくいく」というのでなければ、その価値は半減してしまいますよね。目的とする用途に3Dプリンターが最善の選択肢であるのかをしっかりと見極めることが大切です。3Dプリンターについてご紹介している他コラムも併せてご参考になさってください。
皆さまのアイデアをカタチにするお手伝いをしているハツメイトでは、用途やご予算に応じた最適な造形方法をご提案しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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